モーツァルト フルートとハープのための協奏曲
モーツァルト
フルートとハープのための協奏曲 ハ長調 K.299
1778年、モーツァルト22歳。
フルート奏者の公爵のお父さんと、ハープ奏者のその娘さんのために書かれたフランス風の典雅な二重協奏曲。
モーツァルト フルートとハープのための協奏曲
第3楽章冒頭は「サッサッサー、ホイサッサー」と聞こえる
ノリのいい主題で始まり、まるで子供達が楽しく競争する運動会のように、
楽しく盛り上がっていく。
やがてハープの独奏が始まり、フルートも入ってくるとさらなるメルヘンの世界へ。
ところが中盤、2回目にハーブの独奏が始まると、
なんとモーツァルトの目に涙がきらりと光る。
「どうしたんだ、モーツァルト!そこで泣くか?」
やがてメルヘンの世界は涙ににじんでしまう。
悲しいできごとをあきらめて微笑みかけているようなフルートとハーブの音色に
「どうしたの?どうして泣いてるの?」
と心配しているうちに、モーツァルトは自分でムクムクと立ち直り、
気を取り直して明るく歌い出すが、
もはや後半は、涙をためて我慢しながら
明るくふるまっているようにしか聞こえない。
心躍る楽しいインスピレーションの連続から、
急に泣き出して我慢する、
ものすごい名曲になっている。