長南瑞生の部屋

マンキュー経済学

ハーバード大学経済学教授、グレゴリー・マンキューの書いた
経済学の標準的な教科書。
数式を使わず、初心者にも分かりやすく書かれています。

その中でも初めの方の面白い問いかけとして、
世界の国々の中には、生活水準が高い国もあれば、低い国もあり、
また、同じ国内でも、時代によって生活水準に違いがありますが、
一体なぜそんなことが起きるのでしょうか?というものがあります。

その答えはいたって簡単。
生活水準の格差の原因は、ほとんど、
各国の生産性の違いによって説明できるとのこと。
生産性とは1人が、1時間あたりに生産する物やサービスの量です。

つまり無人島で一人で生活している場合、
自分が釣った分だけ魚が食べられるようなもので、
その生活水準は、すべて自分の働きによって決まります。
そうすると、一時間あたりどれだけ物が生み出せるかが、
その人の生活水準を決めることになります。
国といってもその人数が増えて、全部足して人数割りしただけです。

この本には、1970〜1980年代にアメリカの所得が低成長だったのは、
アメリカの評論家たちの言うような、
日本をはじめ諸外国との競争のせいではなく、
アメリカ国内の生産性の伸び率の低下が原因であると論じており、
自分の好き嫌いによらない客観的な反省が深く、あなどれません。

やはり結局、自分の運命は、すべて自分のたねまきの結果である
という2600年前お釈迦さまの説かれた因果の道理の通りのことが、
現代の経済学でも言われるわけです。

自分のたねまきを反省して、努力精進に心がけましょう。